「酸い」も「甘い」もおいしくいただく! ラクリエの発酵食

特集:野菜・果物の実力・再発見

野菜や果物は発酵させることで栄養価も旨味もアップします。発酵食を積極的に食生活に取り入れて、からだのバランスを整えましょう。

野菜・果物の摂取量、足りていますか?
トマト

 さて、みなさん1日の野菜と果物の摂取目標量は何グラムかご存知ですか?

 厚生労働省が提唱する健康づくりの指標「健康日本21」では、成人の望ましい野菜1日摂取量を350g以上、果物は200g 以上(可食部では150g 以上)としています。

 野菜と果物を合わせると1人で1日550g となりますが、四人家族では3日で6.5㎏以上にものぼります。この数字を見て、「あれ、こんな量(重さ)の野菜や果物をスーパーで買っているかしら?」と感じた主婦の方も少なくないと思います。

 それもそのはず、日本人の野菜・果物摂取量は目標量を大きく下回っています。2009年 11月に厚生労働省から発表された「平成20年国民健康・栄養調査」の結果によると、成人平均で野菜摂取量は295・3g。果物にいたっては、121・3g(成人平均)と目標値の約60%程度にしか満たず、慢性的に不足している状態です。

野菜は50gほど摂取不足 果物は80gほど摂取不足

※ 日本人の成人の場合
※ 目標摂取量/厚生労働省「健康日本21」より
  平均摂取量/厚生労働省「平成20 年国民健康・栄養調査」より
※ 果物は可食部(食べることが可能な部分、果物の場合は果肉)では150g 以上

野菜や果物の健康効果が証明されつつあります

 野菜や果物というと、なんとなく「からだにいい」という漠然としたイメージがありますが、近年それらの摂取と健康の関わりについて科学的に証明されつつあります。特に日本人の死因の6割程度を占める「がん」や「循環器疾患(心臓病・脳卒中)」のリスクが、野菜や果物の摂取によって低下する可能性があることが報告されています。

 もちろんまだまだ研究不足で健康への可能性が示唆されただけのものもありますが、逆にお肉をはじめとする脂肪やアルコールなどとは異なり、過剰摂取で健康を悪化させるとの報告もほとんどないことから、やはりヘルシーな生活には野菜や果物が欠かせないようです。

パプリカ
野菜・果物の健康への可能性が示唆された例

項目

野菜

果物

総死亡率

・根菜、野菜、新鮮な果物の摂取で死亡リスク低下('07年)

循環器疾患

・野菜・果物摂取を一皿増やすと、心臓病の相対リスクが4%低下('06年)
・野菜・果物は高血圧のリスクを低下('08年)
・緑黄色野菜と果物の摂取で脳卒中、脳内出血、脳梗塞による死亡リスクを低下('03年)

認知症

・毎日の果物・野菜摂取は認知症(アルツハイマー型含む)のリスク低下につながる('07年)

がん

・男性のみ野菜摂取が多いほど、がんのリスクが低下('08年)

・世界がん研究基金で、果物の摂取が食道、胃、大腸、肺でのがん予防に対して 「可能性あり」との評価('07年)

骨粗しょう症

・果物の摂取量が増えると、骨密度が増える('06、'07、'08)

パプリカ

 ご存知の通り、野菜や果物にはビタミンやミネラルに加え、食物繊維が豊富に含まれており、私たちのからだの維持に必要な栄養素の供給源となっています。また、最近では植物の特有成分「植物栄養素(フィトケミカル)」にも注目が集まっています。

 植物栄養素は必須栄養素とは異なり、摂取しなくとも欠乏症はないのですが、摂取することで何らかの機能性を私たちのからだに及ぼす成分です。植物栄養素は植物自身のからだを守るために植物内に蓄えられたもので、抗酸化作用を持つものがほとんど。

アントシアニン、カテキンをはじめとするポリフェノールや、私たちの体温を上げるカプサイシン、ネギやニンニクに含まれる硫黄化合物、トマトに含まれるリコピンなどのカロテノイド等がその例です。

 ただし、野菜や果物が健康に良いからといって、ある単一の成分だけを取り出してみた場合、その健康効果が高まることもありますが、逆に効果が低下してしまうこともあります。つまり、野菜や果物に含まれる全体の栄養のバランス、ひいては「必須栄養素」と「植物栄養素」の相乗作 用がわたしたちに健康をもたらすのです。

 幸いにも食事は1日3回と、運動などに比べて工夫するチャンスは多いはず。野菜や果物を多く取り入れたお食事でスーパーヘルスを目指してみてはいかがでしょうか?

野菜や果物を発酵させると?

 私たちの住む日本は、湿気が多く微生物が繁殖しやすい気候・風土から、世界に類をみない食品の発酵文化が進んだ国です。醤油や味噌、納豆、かつおぶし、漬物、米酢に日本酒...と発酵食品の枚挙にいとまがありません。日本は同時に世界一の長寿国でもありますが、これは栄養バランスの良い食事に加え、発酵食品の摂取が多いからだとする説もあります。

 発酵とは微生物の働きで素材や材料に含まれていた栄養素を分解し、栄養を十分に引き出すとともに、それをもとに新たな栄養成分を生み出すこと。このことから、食べ物を発酵させると以下のようなメリットがあります。(下図参照)

おしょうゆ
発酵食で健康パワーを丸ごと「いただきます」
お漬物 干物
納豆 味噌汁 ヨーグルト
メリット1:栄養素の吸収が良くなる!

 毎日、ぬかどこに手入れをしている人の手は、しっとりしていてまるで白魚のような手指になります。これはぬかに含まれる栄養素のおかげ。発酵によって、さまざまな栄養素が小さな分子に分解され、お肌に浸透しやすくなっているのです。

 このように、発酵によってタンパク質はアミノ酸に、デンプンはブドウ糖などに分解され小さな栄養素となるため、体内での吸収がよくなります。また、食品中のアレルゲンも分解されるため、アレルギーの原因にもなりにくくなります。加えて、発酵によって生まれた酢酸などの酸でミネラルの吸収がよくなります。

メリット2:ビタミンが多くなる!

 微生物の多くは生きるためにビタミンB群が必要です。そのため、発酵を通じて発酵食品のなかには、ビタミンB 群が多く含まれます。チーズや甘酒にはビタミンB2 が、ヨーグルトには葉酸が豊富に含まれています。また、納豆には納豆菌によってビタミンK が作られています。

メリット3:酵素も摂取できる! width=

 微生物は栄養素を分解するため酵素をたくさん作ります。そして微生物が死んでも、酵素は残ります。健康との関連で最も有名なのは納豆菌が生み出すナットウキナーゼです。ナットウキナーゼはもともとタンパク質を分解する酵素ですが、血栓を溶かす効果もあることが確認されています。

メリット4:抗酸化作用がアップする!

 発酵食品には、もともと食材に含まれていた抗酸化物質のほか、発酵の過程でつくられた抗酸化成分もたくさん含まれています。醸造酒であるワインはもちろん、お醤油や味噌にも優れた抗酸化作用があることが知られています。

キウイ

 このことから、野菜や果物を発酵させると、それらが持つ優れた栄養素を吸収の良い形にかえて、私たちのからだのなかで働きやすくするとともに、発酵中に新たに生まれたビタミンや抗酸化物質を含み、さらに栄養価値がパワーアップするのです。

 野菜や果物を発酵させたものとしてお漬物などもよいですが、実は野菜や果物の食べない部分(皮・種)にこそ栄養が多く含まれています。それは、皮や種に自身を守る植物栄養素が多く含まれるから。このことから皮・種まるごとひっくるめた発酵食品の摂取をおすすめします。

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